日本人にあったFX投資とは

日本人トレーダーの謎

筆者はスイス銀行の外国為替貴金属部のトレーダーとして12年間投機的売買に従事していた。そこは学歴、年功など一切関係ない毎月の数字が全ての世界。今のように行内リスク管理でがんじからめに縛られることもなく、大銀行とはいえティーラーが個人商店の感覚でリスクを積極的に取りにいくことが奨励されていた。

 

良い意味では本当の投資の醍醐味を味わえたが、本人の記憶としては修羅場経験の方が鮮明に残る。チューリッヒ本店の巨大なトレーディングルームでスイス人の同僚たちとパフォーマンスを熾烈に競い、ニューヨーク、シカゴの商品取引所の。場立ち"として派遣された時には米国型投資の現場でその原点をつぶさに見た。

 

欧米型投資に深く接するほど、日本人の投資形態が比較人類学的に見ると特殊であることを痛感した。投資というのは、どれだけリスクを取れるかに尽きる。リスクの重圧に負けない耐性をどれほど持つか。それは往々にして民族のDNAが影響する。

 

チューリッヒのスイス人の同僚FXトレーダーたちやシカゴのピットに立つプロの投機家(スペキュレーターという職業)は、日々の切り換えが早い。今日負けても明日は明日。上海市場の中国人も然り。対する日本人は、筆者も含めプロでも考え過ぎて後で悔いる傾向が強い。業界では強者といわれる為替ディーラーが、実は占いに凝っていたりするのも日本人ならでは。ひとたび酒が入ると本音は意外に女々しい。

 

リスクが苦手な日本人

 

スイス銀行を離れて講演で実際に個人投資家と接する機会が増えるにつれ、日本人の素人の多くはリスク耐性がかなり弱いDNAを持つことも確認できた。要は「今日買って明日下がると目の前が真っ白になるタイプ」が多いのだ。しかも「おカネのことを考えるのは卑しい」という考えも引きずっているから「経済や投資のことは不勉強」と胸を張って語れる風潮がある。

 

首相まで経済には。疎いと発言するほどで、その結果先進国では最悪の累積財政赤字を背負い込み、子ども達に大変な負の遺産を残す羽目になってしまった。安全資産の代表格とされた国債もお尻に火が付き、ペイオフ解禁で銀行預金も元本保証がなくなった。今やリスクのない投資などあり得ない。といってダンス預金にしても、原油価格急騰などで物価が上がれば目減りするだけだ。

 

つまり、日本人は自らの苦手なリスクを取りにいくことで運用の安全性を高めるしかない。そこでの注意点は、まずリスクのベクトルが異なる資産を色々持つこと。いわゆるリスク分散だが、それぞれの資産のリスクはしっかり取らねば分散効果も出ない。分散する度に日本人のリスク回避DNAと戦わねばならぬ。

プロのマネをするな

特に個人投資家が持つ最大の武器、決算期がないということを活用すべきだ。だから個人は、プロにはできないゴツゴツ積立などの草食系投資が出来る。筆者はディ上フー時代に、例えばドルの買いポジションを大量に抱えていて「今は下がっているが、あと2週問待てば何とかなる」という目途が立っているのに明日が決算期なので止むなく損切りの売り手仕舞いを強いられた経験が幾らでもあった。こういう時は素人衆の個人投資家が羨ましかった。

 

ところが個人はその最大の武器に気づかずプロのマネをしたがる本書の中でプロ三人衆との本音対談があるが、その楽屋話では「結局我々でも将来を見通せる水晶玉を持っているわけではない。でもアマチュアの人達はその水晶玉があると思っている」と語り合った。3人とも、自分の資産運用としては純金積み立て、という地味な答えであった。

 

リーマンーショック前の投資の原則は、リターンの最大化であった。その結果、とんでもないリスクにはまった。そこで最新の投資トレントはリスクの最適配分である。機関投資家の世界でも、運用する資産ごとにリスクを定量化して最大限のリスクを把握したうえでポートフォリオを組む。個人投資家も、まずは世界のマーケットがはらむ様々なリスクを勉強することが肝要であろう。

 

欧米人と日本人はリスク耐性が異なる
日本人はDNAのレベルでリスク回避志向が強いと痛感する

 

最適化されたリスクを積極的に取りに行こう
リーマン・ショック後はリスク定量化、最小化が投資のトレンド

 

個人の持つ強みを最大限に生かすべし
プロを真似るな。決算期がない個人ならではのゴツゴツ投資を

 

そのリスク回避をするための積極的な投資方法が外国為替証拠金取引、いわゆるFXではないではないだろうか?

 

引用:http://www.fx55.jp/